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顔に刺す鍼をするには注意が必要(美容鍼など)

最近鍼灸業界では、美容鍼灸がとてもメジャーになりました。

ちょうど私が鍼灸学校で学生をしていた頃ぐらいからよく耳にする様になり、教員養成課程に行く頃には、美容に特化した学科もできていました。約15年ほど前でしょうか。



もともと東洋医学は、受ける人の持つ身体の力を高めることが目的です。

ですから、身体の不調やバランスの崩れからくる、顔のむくみ、あれ、できものが治るということはごく当たり前ということになります。

簡単にいうと、寝不足の時の顔や食べ過ぎの時の顔、明らかに疲れが溜まっている顔を想像してもらうと、いかに身体の状態と顔がリンクしているかわかると思います。

東洋医学でいう美容とは、整えるべき五臓(根本)を整えた結果、枝葉である顔の状態、流れが整い、健康な状態になる。

結果的にその人の100%の状態にすることになります。

これはいつも笑いながらお伝えするんですが、あなたの100パーセントですよと笑

では、最近の美容鍼灸を見ていると勝手ながら、同じ鍼灸業界としては僭越ながら思うことがあり、数少ないうちのブログを見てくださる方には伝えとこうという感じで書くことにしました。

実は顔の刺鍼(さすはり)は細心の注意が必要!!

ということです。

これは、東洋医学、鍼灸の大元の古典、聖典に当たる、
「黄帝内經(こうていだいけい)」に書かれているのですが、

※刺面中溜脉不幸為盲
面(顔)を刺して溜脈(りゅうみゃく:目に連なる脈)にあたると不幸にして盲になる(盲目)

顔に刺して、目につながる脈にあたると不幸にして盲目になるということです。


鍼灸の修行をしている時、相当口すっぱく、耳にタコができるぐらい指導者から言われていたので覚えていました。

顔にむやみに鍼することが、目の状態に影響があるなんて一般の人は考えもしないと思います。

また、すぐに変化(鍼を刺した瞬間)、影響が目に出ればわかるのですが、それが何日後、何ヶ月後、何年後か記述はなく、いつでてもおかしくないと言う事です。

たまたま溜脈にあたれば出る、その影響がいつ現れるのか、何回目出るのかわからないということです。

意識をしている先生がほとんどだと思うのでいいのですが、まかり間違って、その様なことを意識していない鍼灸師の先生にあたると、無防備に将来的に目に問題が出る鍼を受けているかもしれないということになります。

盲目になることについて俗に言われる、エビデンスはありません。
何パーセントの方がなったとかデータもありません。

ただ、「東洋医学」という分野において「黄帝内経」をはじめとする古典文献に書かれていることは受け入れるべき事項なのです。

なぜならここを否定すると鍼灸師という存在を否定することになるわけですから。(この本がなければ鍼灸がないですので笑)

顔に鍼をすると生体反応として劇的な変化が出ます。上手な先生になればなおさらです。
今日この日のために!!という決意が固いならお止めできません。

例えば、女優さん、モデルの方は東洋医学の様にじっくり内側からなんて言ってられないですから(いい先生の施術を受けられていると思いますが)

本来は東洋医学という言葉と鍼灸という技術を使うのであれば、気血の流れを整え、五臓六腑(内蔵)を整え結果、「いい顔」になりますよというのが東洋医学の「美しさ」の流れです。

ただ、顔だけ鍼をするのは美容施術に鍼という道具を使っているということで東洋医学とは言えないのです。

あなたが何を求めるか、これがポイントにはなりますがそのために大きなリスクを背負っているかもしれないということを知っていただきたいです。

「健康」あっての「美しさ」です。

見た目の即効性を追いかけすぎない様にお気をつけくださいね。

引用:※黄帝内経素問 刺禁論篇第五十二

やまと鍼灸院 院長 山本達也
この記事を書いた人やまと鍼灸院 院長
山本達也

昭和56年1月30日生まれ。奈良県吉野郡下市町出身
出身校
奈良県立耳成高校・奈良産業大学
東洋医療専門学校・大阪医療技術学園専門学校
保有資格
「はり師・きゅう師」「はり師教員・きゅう師教員」
職歴・活動
岐阜保健短期大学医療専門学校2009~2012まで専任教員として勤務。岐阜保健短期大学にて2年間、非常勤講師を務める。
現在は鍼灸院と並行して、東洋医学の普及、若手鍼灸師育成の為、セミナー・勉強会を実施

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