立冬から始める冬の養生|身体の力を蓄える暮らし方
11月7日は立冬。
暦では秋が終わり、冬が始まります。
10月は、秋の後半から冬に向けて、少しずつ活動量を落とし、身体を休ませることの大切さをお伝えしてきました。
いよいよ冬を迎え、これからは身体の力を蓄えることが大切な時期になります。
今回は、東洋医学から考える冬の過ごし方についてお伝えします。
冬は「封蔵(ふうぞう)」の時期
東洋医学では、冬を「封蔵」といい、身体の力を外に発散させず、内側に蓄える時期と考えます。
わかりやすくいえば、動物の冬眠のようなイメージです。
春から夏は活動が盛んになり、秋には少しずつ活動量を落として、冬は休養を大切にする。
このように、自然の変化に合わせて過ごし方を変えることが、東洋医学の養生の基本です。
しかし、現代社会では冬になっても仕事や行事が続き、夏や秋と変わらない生活を送っている方も少なくありません。
特に冬は、激しい運動や過度な発汗、夜更かし、精神的な負担の積み重なりに気をつけたい時期です。
何もしないということではなく、活動と休養のバランスを見直すことが大切です。
秋の疲れは冬になって現れる?
秋は運動会やお祭り、旅行など、何かと行事が多い時期です。
過ごしやすい気候もあり、ついつい予定を詰め込んでしまいがちです。
楽しく過ごしている間は疲れを感じていなくても、身体には負担が積み重なっていることがあります。
東洋医学では、夏から秋にかけて蓄積した疲れが、冬になって不調として現れることがあると考えます。
頭痛や身体のだるさ、腰や膝の痛みなど、現れ方は人によってさまざまです。
もちろん、症状にはそれぞれ原因があります。
大切なのは、その原因だけでなく、これまでの生活や身体の疲れにも目を向けることです。
「元気だけど膝が痛い」は、本当に元気?
「身体は元気なんですが、膝だけが痛くて……」
このようなお話を伺うことがあります。
確かに、食欲もあり、仕事もできて、日常生活に大きな支障がなければ、元気だと感じるかもしれません。
しかし、膝に痛みが出ているということは、少なくとも身体の一部には何らかの負担や問題が生じているということです。
東洋医学では、痛みのある部分だけでなく、身体全体の状態にも目を向けます。
疲れや無理が積み重なり、その人の弱いところや負担のかかっているところに不調が現れるという考え方があります。
それが頭痛として現れる人もいれば、腰や膝の痛みとして現れる人もいます。
もちろん、痛みには関節や筋肉の問題、病気などが関係する場合もあり、必要に応じた検査や治療も大切です。
そのうえで、私が施術の際に大切にしているのは、
「何が症状を起こしたのか」だけでなく、「なぜ今の自分に症状が現れたのか」を考えること。
症状のある部分だけを見るのではなく、身体全体の状態や生活習慣を振り返ることも大切だと考えています。
寒くなったら、まず服装を整える
立冬を迎え、これから少しずつ寒さが増していきます。
近年は夏から秋にかけて暑い日が続くため、気温が下がると急に寒くなったと感じる方も多いかもしれません。
しかし、冬は寒くなるのが自然なことです。
大切なのは、寒さを必要以上に怖がるのではなく、気温に合わせて生活を整えること。
寒いと感じたら、まず服装を調整する。
暖房も我慢する必要はありませんが、必要以上に室温を高くするのではなく、身体の状態に合わせて快適に過ごせる環境を整えましょう。
寒さに無理に耐えることと、自然の変化に合わせて生活することは違います。
特に高齢の方や小さなお子さん、体調に不安のある方は、室温にも十分な配慮が必要です。
冬は活動よりも休養を大切に
冬の養生で大切なのは、身体の力を蓄えることです。
そのためには、日々の生活の中で少しずつ休養を意識することが必要です。
・予定を詰め込みすぎない
・激しい運動や過度な発汗を控える
・夜更かしを避け、睡眠を大切にする
・精神的な負担をため込みすぎない
・痛みや不調を我慢して無理を続けない
忙しい毎日の中で、すべてを変えることは難しいかもしれません。
それでも、少し早く休む、予定を一つ減らすなど、できることから始めてみましょう。
まとめ|自然に合わせて身体の過ごし方を変える
春夏秋冬、それぞれの時期には自然の変化があります。
私たちの身体も、その変化と無関係ではありません。
夏と冬では気温も日照時間も異なり、身体にかかる負担も変わります。
それなのに、一年を通して同じように活動し続けていては、疲れが積み重なることもあります。
冬は「封蔵」の時期。
活動することばかりを考えるのではなく、身体の力を蓄えることにも目を向けてみましょう。
身体の不調は、今の生活を見直すきっかけにもなります。
症状だけにとらわれず、これまでの疲れや生活習慣を振り返ること。
そして、自然の変化に合わせて無理なく暮らすこと。
冬を健やかに過ごすために、今から身体の過ごし方を整えていきましょう。
やまと鍼灸院|奈良県桜井市
当院では、東洋医学の考え方をもとに、刺さない鍼「接触鍼」を用いて施術を行っています。
症状のある部分だけでなく、身体全体の状態や生活習慣にも目を向け、一人ひとりの状態に合わせた施術を大切にしています。 昭和56年1月30日生まれ。奈良県吉野郡下市町出身
山本達也
出身校
奈良県立耳成高校・奈良産業大学
東洋医療専門学校・大阪医療技術学園専門学校
保有資格
「はり師・きゅう師」「はり師教員・きゅう師教員」
職歴・活動
岐阜保健短期大学医療専門学校2009~2012まで専任教員として勤務。岐阜保健短期大学にて2年間、非常勤講師を務める。
現在は鍼灸院と並行して、東洋医学の普及、若手鍼灸師育成の為、セミナー・勉強会を実施






コメント