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夏土用は「足す」より「引く」という養生

7月も後半に入り、もうすぐ夏土用を迎えます。

東洋医学では、土用は次の時期へ身体を切り替えるための準備期間と考えます。

その中心となるのが「脾胃(ひい)」、つまり胃腸の働きです。

夏は暑さや湿気、冷たい飲み物や食べ物などの影響で、知らないうちに胃腸へ負担がかかりやすくなっています。

その状態で無理に食べ続けたり、「夏バテしないように」と栄養を摂りすぎたりすると、かえって胃腸は疲れてしまいます。

その結果、

・胃もたれ
・食欲不振
・胸やけ
・吐き気
・便秘や下痢
・身体の重だるさ

といった不調につながることがあります。

食べたら出る、は当たり前ではありません


私たちは「食べたものは自然に消化され、排泄される」と考えがちです。

しかし東洋医学では、それぞれに身体の働きが関係しています。

脾胃は食べたものを消化し、身体に必要なものへ変える働きを担います。

さらに、腎には身体の巡りや、上へ偏ったものを下へおろし、排泄へつなげる働きがあります。

胃腸が疲れ、腎の働きも十分ではない状態では、食べたものが身体の負担となり、不調が続きやすくなります。

だからこそ、この時期は「何を食べるか」だけではなく、「どれくらい食べるか」も大切になります。

腹八分目が、夏後半の元気につながる


「しっかり食べないと夏バテする。」

そう思われる方も多いかもしれません。

もちろん、極端に食事を減らす必要はありません。

しかし、胃腸が疲れている時は、少し食事量を控えることも立派な養生です。

腹八分目を意識するだけでも、胃腸は休む時間をつくることができ、消化・吸収・排泄の流れが整いやすくなります。

食後の身体が軽い。

胃もたれしにくい。

食事を美味しく楽しめる。

こうした状態は、胃腸が無理なく働いているサインでもあります。



土用の丑の日は、自分の身体に合わせて


夏土用といえば、「土用の丑の日」。

うなぎを食べる習慣があります。

好きな方が美味しくいただくことはもちろん良いことです。

ただ、「元気をつけるために無理に食べる」必要はありません。

現代では、栄養不足よりも食べすぎによる胃腸への負担が問題となる方が少なくありません。

脂っこいものを食べると胃もたれしやすい方や、胸やけが出やすい方は、自分の身体の状態に合わせて選ぶことが大切です。

鍼灸で目指すのは、身体が本来働ける状態


やまと鍼灸院では、胃の症状だけを見るのではなく、脾胃や腎を含めた身体全体の働きを整えることを大切にしています。

消化・吸収・排泄がスムーズに行える身体。

食後も重だるくならない身体。

夏後半も元気に過ごせる身体。

そんな状態を目指し、一人ひとりの体質に合わせた施術を行っています。

夏土用は「足す」より「引く」


この時期は、身体へ何かを足すことよりも、胃腸を休ませ、本来の働きを取り戻すことが大切です。

腹八分目を意識する。

食べすぎた翌日は少し控える。

胃腸をいたわる時間をつくる。

こうした積み重ねが、8月の夏バテ予防にもつながります。

毎年この時期に胃腸の不調や身体の重だるさを感じる方は、身体からのサインを見逃さず、夏土用を健やかに過ごしていきましょう。

やまと鍼灸院 院長 山本達也
この記事を書いた人やまと鍼灸院 院長
山本達也

昭和56年1月30日生まれ。奈良県吉野郡下市町出身
出身校
奈良県立耳成高校・奈良産業大学
東洋医療専門学校・大阪医療技術学園専門学校
保有資格
「はり師・きゅう師」「はり師教員・きゅう師教員」
職歴・活動
岐阜保健短期大学医療専門学校2009~2012まで専任教員として勤務。岐阜保健短期大学にて2年間、非常勤講師を務める。
現在は鍼灸院と並行して、東洋医学の普及、若手鍼灸師育成の為、セミナー・勉強会を実施

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